懐かしいゲーム アーケード クレイジークライマー

Crazy Climber

昔、自分が通っていたゲーセン。
相模大野にあった長細い部屋のやつと、町田の、今はビレバンになっているやつ。
この2店を押さえておけば、新宿なんぞに行かずとも大抵の最新ゲームが遊べました。新宿の大きなゲーセンは、有名どころのゲームがズラーっと並んで壮観なだけで、ゲームの最新情報を得られる!って感じではなかった。
他にも根気よく探せば、センスのいい品揃えの店は、あったでしょうけど。

相模大野の店は、半月くらいのペースで最新のゲームに出会えました。
で、この店は、メインの位置に最新のゲームを置き、それが廃れてきたら人気の無い場所に追いやり、メインの位置にまた最新のゲームを置く、という定番パターンでゲームを回していたのですが、この「クレイジー・クライマー」については、最初から不人気(不便)な場所に置いてありました。有人の両替窓口の近くで。

 

この頃のゲーム世界設定に「不条理」云々いうのはヤボですが。

ブラウン管が画面焼けしないように暗いゲームが多かったゲーセンの中では珍しい明るい青空。上下にスクロールして広がる世界。この、ある程度、リアルな舞台設定の中で……

まるで生き物のように不規則に開け閉めを繰り返す窓。ビルの途中に出てくる真っ赤な眼の大猿。体の大きさくらいあるデカい糞を落としてくる鳥。素手でビルを登ろうとする勇敢な冒険者に対して、鉄アレーや鉄骨を落としてくる極悪さ。
ビルを登り始めるときの不協和音BGM。「いてっ」「がんばれ」っていう周波数の高い人工音声。ビルを登るときの「ぴぎっ・ぽごっ」という、これまで聞いたこともない妙な効果音。

全部ひっくるめて、「パンク」なゲームでした。
ゲームというものが作りだす、見たこともない世界を冒険するのが好きな自分には(←現実逃避をカッコよくいう例のやつです)、たまらなく魅力的でした。
が、両手でレバー操作、というインターフェイスがどうにも馴染めず、すぐに落ちて終わってしまうので、この世界に長く浸ることができなかった……クレイジー・クライマー、ホントに大好きなゲームだったのですが、この「両手でレバー操作」というのが、いろんな意味でダメでした。

 

店側としても、このゲームをテーブル筺体の中身(基盤とか)だけ入れ替える場合は、テーブル本体を「レバー2本仕様」に改造しなければならず、ここにかかるコストは相当なものだったと思います。テーブルごと新規導入する場合にも、このレバー2本のインターフェイスが、後のゲーム基板入れ替えのときにネックになってくる。あるいはリース契約で、まるごと借りて、あっさり返すんだろうかなぁ……わからん。
しかし、いろんなゲーセンでクレイジークライマーのテーブルを観察するに、この2本レバーの改造に苦心のあとが見てとれます。「SHOOT」のボタンだったところにレバーを仕込むことが多く、テーブルによっては、右のレバーと左のレバーの位置が左右対称じゃないやつもありました。

さらに、この当時のレバー(ジョイスティック)には、「4方向」タイプと「8方向」タイプというのがありまして、「4方向タイプ」は、たとえば左上にレバーを入れたとき、ゲームのなかでは「左」、あるいは「上」の、どちらかでしか判定されません。
クレイジー・クライマーの理想インターフェイスは、左右2本とも「8方向」タイプ。これでないと、満足に楽しむことができないのです。
店によっては、左右とも「4方向」だったりして。100円を入れたあとに「4方向」だったことがわかるのですが、そのときは、そりゃもう……ガッカリです。

で、さらに!
ビルの上から降りそそぐ植木鉢や鉄アレー、これを避けられずに耐える場合は、レバーを2本とも下方向に入れるのですが、こういう場合、どうしても力が入ってしまいますよね。
クレイジー・クライマーのテーブルで、時々椅子から腰を上げて「うむっ」と力いっぱいレバーを下げる姿。「ああ、耐えているんだな」と。ゲーセンの、ちょっとした風物詩でした。

しかしこの風物詩が、店側にとっては痛かったようで。要は、レバーが、このせいでブッ壊れるんです。

クレイジー・クライマーのテーブルは、レバーの4方向8方向問題、左右非対称問題をさしおいて、なにより、レバーがブッ壊れている確率が高い!!
私の通っていた相模大野の店も、おそらくこの「耐え」のときの力の入れ具合を確認するために、有人両替窓口の付近に置いたものと思われます。「そんなに力いれるんじゃないよ!」って注意するために。

 

そのうち、この店のレバーも、なんだか反応が悪くなってきて。100円を投じるのを止めました。
ホント、良いゲームだったけどなぁ。